STAFFコラム

五常の徳

今は何も隠すことのできない時代になりました。デジタルの発達(スマートフォン・カメラ・SNS等)がそうさせました。
心にもない嘘飾は見透かされて、いつでも本性は暴かれてしまう、そんな時代です。

近年は政治家や企業家、著名人などが時代の変化についていけず、あり得ない失言や態度を重ねて社会的に批判されるようになりました。こういった事象においても、デジタル時代の本質を正しく理解しておらず、いまだに資本と権力が社会の中心だという感覚が残っている・・・それらからくる結末だと思います。

・新しい時代においても真理は同じ(時代を超えて不変的)

求められる人財は、立派な人・・・つまり五常の徳「仁・義・礼・智・信」を兼ね備えた人間です。

簡単に表すと、「親切でよく気が付き、細心で礼節を知り、合理的・科学的で、能力のある人」というイメージです。デジタル文明になればなるほど際立ち、より大切なのかもしれません。

フィットネス業界においてもこういった人財が重宝されるはずですが、環境がそうさせるのか五常の徳を兼ね備えた人に会うことは稀です。知識や技術の習得に比重が置かれている教育制度が問題だと感じています。もちろん最低限の知識や技術は必要ですが、それより大事なのは人間力の部分です。私が考える教育制度は、「人間力」「専門力」「コミュニケーション力」の3つがバランスよく入り交じりながら、個人をサポートしていく形がベストだと思っています。所属している組織の教育制度を点検してみてください。

簡単に五常の徳「仁・義・礼・智・信」を紹介。

・・・己の心をもって人に及ぼすことです。相手の身になって考え、相手の立場になって思いやりを持つこと。「自分が他人にしたこと・言った言葉・取った態度を、同じように他人からされたら、自分はいったいどういう気持ちになるか?」を自分自身に置き換えて考えることです。自分が嫌ならば、他の人にもしてはいけません。自分のことを考えると同時に相手のことも考えなければなりません。自分がしたくないことを、決して他人にもさせてはなりません。このような心が「仁」といい、「仁者愛人(仁者は人を愛し)」です。

・・・道徳や倫理をわきまえ、心の考え・口から発する言葉・取る行動、この三つがすべて義理人情、道徳・倫理、法律にかなっていることです。例え、お金や利益を得ることにしても、まず自分の道義にかなっているかどうかを考えます。道義・恩義・情義にあっていなければ、お金や利益を得るチャンスであっても、それに応えことはないでしょう。逆に徳のない人は、私利私欲ばかり考えているのです。

・・・失礼な言動や態度がないように常日頃から注意しましょう。そうすれば、自らを勝手気ままにふるまうことがなく、節度をわきまえ、深い人間になれます。そうすることによって、道徳を高め、教養を養うことができます。

・・・道徳をよく知り、知識豊富な人ということです。感情だけで物事を判断してはいけません。それらに対しての「智」を学び、用いることが大切です。

・・・信用をしっかり守ることです。「仁、義、礼、智、信」の中、「信」は最後の一つの道徳です。信がなければ、前面の「仁、義、礼、智」の四つも全部崩れてしまい、有名無実になります。「信」は一階であって、理智は二階、礼は三階、義は四階、仁は五階の建物のようで、一階が倒れたら、上の階も全部倒れてしまいます。

1日の最後にふと振り返ってみるとよいかもしれませんね。

仁・・・人に思いやりを持って接することができたか?
義・・・私利私欲が前面に出ていなかったか?
礼・・・どの場面でも礼儀を意識したか?
智・・・感情的になっていないか?何か一つでも学んだか?
信・・・何事にも誠実だったか?約束を守ったか?

こういったことの積み重ねが人を創っていきます。けして知識や技術を見せびらかすだけの人にならないようにしたいものです。

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