ここ数年で「健康経営」というワードがビジネス界で多く聞こえるようになり、コロナ禍を経てよりそれは重要視されるようになりました。健康経営とは、従業員の健康保持や増進の取り組みが将来的に収益性などを高める投資であるとの考えのもと、健康管理を経営的な視点から考え、戦略的に実践することです。従業員の活力あるいは生産性の向上は組織に活性化をもらたし、結果的に業績向上に繋がることが期待できます。
概念はアメリカの経営心理学者ロバート・ローゼン氏が提唱したもので、健康な従業員こそが収益の高い会社をつくる。との考えに基づいています。アメリカでは1980年代以降に企業フィットネスとして、多くの企業が様々なフィットネスプログラムを導入、実施しています。一方で日本では健保組合が負担する膨大な医療費は増え続けています。健保と企業との協力は希薄で医療費の削減は大きな課題となっています。企業経営陣の課題認識や意識を変える1つの取り組みとして健康経営が掲げられています。
・健康な従業員こそが収益の高い会社をつくる
とはいっても・・・健康経営の費用対効果が具体化されていなければ動きが鈍くなるのは当たり前です。本当に効果あるの?と。2010年のハーバード大学の研究で、36の研究調査を分析した結果、企業が健康管理プログラムに1ドル投資すると、3.27ドルの医療費抑制効果が上がる、つまり3倍以上のリターンが得られるという結果を発表しています。また、日本でも大阪大学の田倉氏がフィットネスクラブに平均週3回以上通う運動習慣のある人は、40~85歳にかかる医療費が1人当たり平均153万円少なくなるという試算を発表している。これらのことから健康に投資することで医療費削減に効果があるということが分かりますが、それはつまり病気にかかりにくいということ。従業員が病気にかかりにくくなるということは、運営効率や人件費、長期療養になると採用費などに影響してきます。
22歳で入社して20年間働き、現場での経験やこれまでの教育投資を会社に還元する40代で病気にかかるとその長期投資がサンクコストになってしまいます。こう考えるととんでもない費用対効果ですよね。
今、ある会社の健康経営をお手伝いしています。経営幹部の方々が従業員の健康管理に本気で取り組みたいということをおっしゃってました。トップ層が体感して意識が変わると良いサイクルになります。
今後のフィットネスビジネスは様々な形になっていくと思われます。
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