フィットネスビジネスにおける価値の提供、すなわちWhat(なにを?)の明確化や追求が行われている企業やクラブはどのぐらいあるのでしょうか?
特に総合型クラブにおいては、どのクラブも名称が違うだけで中に入ればどれも同じ・・・価値の明確化や追求は皆無かもしれません。総合型クラブの経営者もしくは幹部に「あなたの会社あるいはクラブはどんな価値(なにを?)を提供していますか?」と質問して答えられる人は少ないでしょうし、多くの人は「健康を届けて豊かなくらしを提供している」「運動やコミュニティを通じて生きがいを感じてもらっている」みたいな抽象的な返答になるような気がします。
それも価値と言えば価値なのですが、それはどっちかというと理念的な部分であり、もう少しはっきりとした価値、強いWhat?が成長するためには必要です。そう、変化を促すためにはこれに気づかなければなりません。
そのためには顧客を理解する必要があります。我々が売りたいものと顧客がほしいものがマッチしているのか?
ある洗剤会社の話、その会社は漂白に自信を持っていてそれを強みと認識し、顧客も洗濯物が白くなることを求めていると思っていました。しかし、思ったような売上結果が出ない時期が続きました。そこで消費者分析(インサイト)を行ってみると、主婦の方々は白くキレイになることを求めているがそれを判断しているのは見た目の白さではなく、臭いで判断していたことが分かったのです。
普通に考えれば、漂白の僅かな差なんて見た目で判断あまりできませんよね。その後の洗剤マーケットは皆様のご存知の通りです。漂白というよりは臭いの元となる成分の除菌やハーブ系の香りなど、臭い重視の製品が主軸となりました。
こういったことと似たようなことがもしかしたらフィットネス業界でもたくさんあるかもしれません。それは多種多様な業態が出てきていることから分かります。総合型フィットネスクラブが売りたいものと顧客がほしいものにアンマッチが大きく起きている可能性があります。新型コロナウイルス感染症のパンデミックで生活様式が大きく変わりましたから、顧客がほしいものとして意識的なものではなく、無意識的なものにアプローチする必要があります。
我々の強烈な価値(What)とは何なんでしょうか?
組織で議論することで何か見えてくるかもしれませんし、経営層は現場に出て顧客、従業員の声を聴いてみてください。経営改善のヒントがあるはずです。
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