STAFFコラム

フィットネスクラブの会員数を増やすための2つのポイント

今日はフィットネスビジネスにおいて会員数を増やすためには?という内容でポイントを書いていきたいと思います。大事なことは2つ、「フロントエクスペリエンス」=「事前の体験」と「リテンションサービス」=「維持・継続の提供」です。

よく考えてみると当たり前なんですが、現実はそう簡単ではありません。なぜなら、この2つの施策を愚直に行っているクラブは少ないからです。

■ 「フロントエクスペリエンス」=「事前の体験」

まずは1つ目の「フロントエクスペリエンス」=「事前の体験」ですが、会員数を増やすためには・・・ここで多くの人が最初に思い浮かぶことは新規入会者の獲得です。これは正解のようでそうでないです。

結果、新規入会という形になるだけで重要なのはそれに至るまでの顧客体験に重点を置くことです。それを私は「フロントエクスペリエンス」=事前の体験と表現しています。入会が本丸の商品とすれば、それを購入していただく前に、商品を体験いただくことを指しています。

新規入会者を獲得することだけが目的になってしまうと、「入会キャンペーンの広告を打とう」や「紹介キャンペーンの特典を考えよう」みたいな話になりがちです。そうではなく、事前の体験ということを真剣に考えて打ち出してみましょう。

クラブ側が思っているよりフィットネスクラブというのは敷居が高く、私が通うところではない、続くか不安など様々なハードルがあります。よって、直接入会、我々は1ステップ入会と呼んでいますがそれは滅多にありません。過去にクラブに通っていた、友人が通っている話を聞いた、見学にきた、体験にきた、など様々な行動を経て入会手続きに辿り着くのが一般的です。そこの施策を充実させることで継続的に入会獲得が見込めるようになってきます。つまりは点ではなく、線で考えていくことです。

フロントエクスペリエンス(事前の体験)はあらゆる角度から検討します。
内容、ターゲット、時間、担当などなど。多くのクラブが実施しているワンコイン体験や1週間体験とは全く違うレベルのことです。最近のチラシやWEBバナーを見ていると、入会キャンペーン+ワンコイン体験がほとんどで体験の内容には触れていません。それを逆にしてほしいんです。どんな素敵な体験ができるのか?こんな準備をしてお待ちしています、とアピールをして+αで入会キャンペーンのお知らせといった形に。また、どんな形でも事前の体験に参加していただいた方は1年間フォローしていきます。売り手と買い手のタイミングは一緒ではないことが多々ありますから。背中を押してあげることは大切ですが過度な営業はご法度です。

フロントエクスペリエンスからの入会状況も1年間追っていきます。
多くのクラブでは当月の状況及び入会率だけを指標にしており、9月が終われば月末時点の状況を確定として、その後はほったらかしです。あるとすれば、これまでの見学体験者にも今月のキャンペーンをDMするぐらいでしょうか?

それではダメです。重ねてになりますが、売り手と買い手のタイミングは違うことがよくあるのです。フロントエクスペリエンスの状況は1年間を横並べにして分析して把握することが大切です。半年前に見学に来られた方が今月入会することもありますよね?それはなぜなのか?過去の参加者に入会キャンペーンのお知らせだけを送るのは勿体ないですよ。その方が来館された理由を細かく分析して、その人にあった情報をお知らせすることで入会率は高まります。そうなれば管理に面においても過去の月入会率を修正するといった感じです。まだまだ他にもあるのですが、大切な顧客ですので細かく状況を把握して適切な情報をお知らせしていくことが最も大切です。

とにかくフロントエクスペリエンス(事前の体験)を充実させ、参加していただいた方々に手厚いサポートを行い、分析管理を年間通して実施していくことが会員数を増やす1つ目のポイントです。

■ 「リテンションサービス」=「維持・継続の提供」

次に2つ目ですが、「リテンションサービス」=「維持・継続の提供」です。現在、多くのクラブで秋の入会キャンペーンと題して、過剰な特典を打ち出しながら新規入会獲得に励んでいます。そういうクラブの多くが入会後はほったらかしです。いやいや、ちゃんとサポートしてますよ!とスタッフの人達は思うかもしれませんが、やっていることは初期のオリエンテーションと来館時の声掛けぐらいでしょう。数値に関しても3ヶ月と6ヶ月の継続率を見ているだけで、それ以外は皆無といった状況がほとんどです。

ひどいクラブは来場なしにも関わらず何もアプローチしない、もしくはそれすらも把握していないなどザラです。

そういったクラブの基本的な考えは・・・

・来場された方に対してサービスを提供すればよい

となっています。そうなんであれば会員制にする意味はないですよね。
ここらへんも含めて会員制ビジネスの根幹の考え方がおかしくなっています。この考え方・意識が変わらなければ、せっかくクラブの会員になってくれたのに都度利用者みたいな対応をしてしまい、残念な思いをさせることになります。

・新規入会者は会員制のクラブに何を期待しているのでしょうか?

期待は人それぞれかもしれませんが、その中でも成果は重要ですよね。そして、その成果に至るまでのプロセスも気持ちの良いものでないといけません。そのプロセスのサポートが受け身になっていては、結局のところ成果においても本人次第となってしまいます。

極端なことを言えば、成果とプロセスをサポートできない状態なのであれば会費をいただくことはできない!と運営側は強く認識するべきです。

それが一番、「リテンションサービス」=「維持・継続の提供」につながります。

具体的な施策として、最初の3ヶ月は顧客の目的や要望に合わせたサービスとコミュニケーション頻度を設定していきます。その設定をしっかり説明して、合意をもらいながら来場予約をとっていきましょう。

ここでは詳細を割愛しますが、この来場予約は非常に大事です。スケジュールが決まっていない場合も変更OKとうまく話して予約をとってもらうことが大切です。もし、スクール制を取り入れることができるのであればそうした方がよいです。

最初の3ヶ月の設定がうまくクリアできれば、続いて4~6ヶ月の設定を行い、同じように続けていきます。

途中で何らかしらの理由で設定がクリアできない場合は、休会もしくは退会のアプローチをします。退会のアプローチ?!と驚くかもしれませんが、成果とプロセスを提供できないのに会費をいただくことはできないとスタッフに意識させることが重要なのです。そして、スタッフは「何かしらの理由」を真摯に受け止めて、サービス改善に努めていくことでクラブの魅力に磨きがかかるのです。

これらは大枠ですが、こういった入会→継続→退会までの一連のサービスが仕組み化されていないクラブがほとんどだと思います。そういったクラブは、まず先に「リテンションサービス」=「維持・継続の提供」の仕組みを構築していくことが、会員数を増やす2つ目のポイントです。

いかがでしょうか?

・「フロントエクスペリエンス」=「事前の体験」

・「リテンションサービス」=「維持・継続の提供」

この2つのサービスの仕組み化はできていますか?できていない場合は会員数増は見込めませんので、仕組み化からスタートしていきましょう。

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